Bluesonicのブログ

船体の汚れを防止する装置に関する情報いろいろ

実際に動かしたらどうなる?

ちょっと時間が空いてしまいました(;^_^A

 

こんな時期ではありますが、出張取付や他の仕事でバタバタしてました。

 

 

コロナ禍ではありますが、ヨットなどで楽しむにはいい時期ですよね。

ただ、この時期になると船体の汚れも・・・。

 

気温の上昇とともに海水温も上昇して

微生物の繁殖には最適な状況に・・・。

 

モーターボートの場合は、エンジンの出力に物を言わせて

ぐいぐい進むことはできますが(燃費は落ちそうですね)、

ヨットだと風の推力で進むので、船体抵抗が大きくなると

結構ストレスを感じたりしますよね?

 

機会があれば、お客様の船に取り付けた後の経過なども

ご報告できればと思いますが、

今日は、実際ソニハルを動かすと目に見えて何かわかるのか?

というところでご紹介していきたいと思います。

 

 


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どうやったら分かりやすくなるかな?と思い、お茶を入れた

ティーカップをトランスデューサーの上にのせてみました。

 

超音波の音が聞こえるかと思います。

あと、超音波の振動によって、ティーカップが勝手に動いています。

 

実際に取付する際はしっかりと固定するので対象物や

トランスデューサーが動くことはありませんが、

この超音波をしっかりと対象物に伝えることとなります。

 

 

もう一つ動画を撮ってみました。

実際の超音波って音では聞こえますが、目では見えませんよね?

 


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超音波起振端子とボディの隙間に水を浸透させて起動させてみました。

超音波によって水がミスト状になって出ているのがわかるかと思います。

これと同様なことが対象物表面でも行われ、ミスト状に見えるものは

水中では微細なバブルとなります。

このバブルを弾けさせたりすることで、微生物が対象物に付着することを

防止するのが、このソニハルの狙いになります。

 

効果的に運用するためにも、しっかりとした取付が必要になります。

 

今日は、簡単ですが「超音波ってどんな感じ?」の一助になるかも?(笑)

しれない動画をアップしてみました。

 

 

ソニハルの原理 その2

さて、前回に続き、ソニハルがどう働くかの説明です。

 

前回は、船底にフジツボなどがつく原理でした。

 

今回は、超音波がどう聞くかに関してまとめようと思います。

 

 

まず、ソニハルが売りとする超音波ですが、

イナーシャル(慣性)キャビテーションと

ノンイナーシャル(非慣性)キャビテーションの

大きく分けて2つあります。

 

この説明をしだすとすごく大変ですし、私にはできません(笑)

 

キャビテーションで発生する気泡の振動幅によって呼び名が違うようで、

振動幅が小さなものがノンイナーシャルキャビテーション、

振動幅が大きなものがイナーシャルキャビテーションというようです。

 

大きな違いは、気泡が持つパワーの違いでしょうか。

イナーシャルキャビテーションの方が大きな破壊力を持つ特徴があるようです。

 

もう一つの特徴としては、

イナーシャルキャビテーションは、一つの流れの中で自然発生するもの、

ノンイナーシャルキャビテーションは、外部から任意に制御できるもの、

という、違いが出てきます。

 

で、ソニハルではどちらなのかというと、

ノンイナーシャルキャビテーションというものを採用しております。

まぁ、機械で超音波を発生させ、強制的にキャビテーションを作るので

当然といえば当然ですが(笑)

 

ここで、イナーシャルキャビテーションの方がパワーあるからいいやんか!

というご意見もあるかと思います。

 

そうです、パワーはあるんですが・・・。

 

あり過ぎるんです(;^_^A

 

条件次第かと思うし、色々な文献に色々なことが書かれていますが、

1μmの範囲で100℃の温度変化があるとか、

気泡が破裂する際、衝撃波が音速を超えるとか・・・。

詳しいことは、専門の学者さんが研究されているようですが、

プロペラのキャビテーション腐食からも考えられるよう、金属を攻撃する

パワーを持っていることより、イナーシャルキャビテーションでは、

船底を守るというより、破壊してしまいそうです(;^_^A

 

 

ということで、ソニハルでは、安定的に制御できる

ノンイナーシャルキャビテーションを採用します。

トランスデューサーから発振される超音波を利用し船体表面に

1mm以下のマイクロバブルを作り、それを音波コントロール

正圧負圧を制御し、バブルを膨らませたり縮めて破壊させたりということを

いろいろな周波数を用いて行っています。

 

 

メーカー資料の絵で以下のようなものがあります。

 

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水泡の変化と超音波による正圧負圧の関係です。

 

 

この特性を用いて、先日フジツボなどの成長過程を示した下図の①や②

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この、微生物の状態の時に微生物やバイオフィルムを攻撃して、

そこから先の成長を阻むような装置になります。

 

 

そのような特性から、すでに船底に取り付いてしまってフジツボを除去する力は

持ち合わせておりませんし、正常な効果を発揮するためには、

取付前に船底の清掃をする必要があります。

 

 

ということで、ソニハルとは、超音波を発信し、トランスデューサーの

効果が及ぶ範囲でキャビテーションを作り、的確にコントロールすることにより

微生物の付着が起きにくい表面を形成すること、すなわち、

フジツボなどが付着したくないような環境を作ることを目的としています。

 

以上ですが、簡単な説明でした<(_ _)>

 

 

ソニハルの原理 その1

今回は、ソニハルの原理を簡単にお伝えしようかと思います。

 

ソニハル自身は、超音波を発生する機械です。

メガネの掃除なんかで使うのと同じような感じです。

最近では医療の分野でも活躍してますね。

 

 

メーカーの資料には以下のような絵で説明されています。

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船底もそうですし、岸壁などのような硬いところに付着していくのですが、

いきなり牡蠣殻など付くわけではないようです。

 

まずは、①のようにバクテリアの細胞が硬い表面に付着することから始まります。

 

その微生物が増殖していき、②のようなバイオフィルムが形成されます。

バイオフィルムとは微生物の集合体のことを言います。

 

その後、③のように離れていくものもありますが、

残った微生物は④のように原生生物から食べられることになります。

原生生物とは、藻類や菌類、原生動物(アメーバやゾウリムシ)のことです。

アメーバ・ゾウリムシ、中学か高校の生物か何かで習ったような…

遠い記憶ですね(笑)

まぁ、この原生生物にとってはこのバイオフィルムはとってもいい餌場に

なってしまうわけですね。

 

ここまでなってくると、⑤のようにフジツボの幼生が寄生したり、

藻の胞子が付着したりしてしまいます。

 

結果として船底で増殖、航海時に大きな抵抗となり

燃費悪化、スピード低下、エンジン負荷大と

一つもいいことがなくなってしまいます。

このために、定期的に上架メンテナンスを行っているかと思います。

 

この頻度を延長できるようサポートする装置がソニハルになります。

 

 

どうするかというと・・・・

 

 

増殖する前に元から断つ、そうです、①の微生物が付着することを

防ぐ装置がソニハルです。

 

どうやって防ぐのか、それは、お得意の超音波を使って、になります。

 

 

超音波でどうやって防ぐの?

 

 

そう思われますよね。

 

 

一気に全部書こうと思ったのですが、結構な文字数になりそうだったので

今回はここまでで、次回続きを書こうと思います。

 

 

決してネタ稼ぎでは・・・(汗)

 

ソニハル 4 出荷

今回は、少し出荷に関してご紹介を。

 

個人様向けに出荷する機会は少ないのですが、

高速艇などにはソニハル2(デュオ)ではなく

ソニハル4(クアッド)をよくご利用いただけます。

 

 

その理由としては、

 

デュオを2つ取り付けるよりも安いから(笑)

 

 

ヨットやクルーザー系でいきなりクアッドのご依頼をいただくことは少ないです。

まずは、効くかどうかわからないから、とりあえず船底のみ、

という感じがほとんどです。

そのあと、追加でプロペラ周りや冷却配管等に増設といった感じでしょうか。

 

取付するものからしてみると、コントロールボックスが小さく設置しやすいので

デュオ2セットの方が非常にありがたいです(笑)

 

 

ちなみにクアッドはこのような感じです。

 

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パネル表面にOUTPUT用のLEDインジケーターが4つついてます。

ソニハル4(クワッド)は、その名前のトランスデューサー(超音波起振機)が

4つ取り付けることができ、その運転状態をモニターできるようになってます。

通常運転時にはグリーンのライトが点灯し、運転を行っていないときは

消灯するようになっています。

 

パネルの大きさとしては、ざっくりと縦・横30cm弱といったところでしょうか。

 

 

ちなみに、ソニハル2(デュオ)は、15cmx20cm弱で、2まわりほど

コンパクトなパネルになってます。

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(すいません、写真撮りそびれちゃったのでカタログから)

 

 

弊社では、基本的に製品入荷後に全数作動確認と内容物の確認を

梱包を開封したうえで行っております。

今まで、作動できなかったり、内容物に欠品や損傷があったことはないのですが、

お客様にお渡しした際に発見されるようでは、正規代理店としては

みっともない限りですので(笑)そのあたりはきっちりと

対応させていただいております。

 

作動確認に関しては、ソニハル自体はAC100-240Vの50-60Hzと

DC12-24Vにて作動できますので、一番電源の取りやすい

AC100Vにて確認を行っております。

 

もちろん、すべてのトランスデューサーを結線したうえで、

超音波の発振、並びに規定周波数にて発振しているかも

専用の計測器にて計測して出荷しております。

 

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ちなみに今回は、ソニハル4を2セットの出荷となっております。

 

 

それでは、残りのチェック作業に戻ります!

 

ソニハルの使用目的

今回は、SONIHULL(ソニハル)の使用目的に関して書いていこうかと思います。

 

一般的には、海水が接触するところに発生するに生物による

表面の汚れに対して付着することを防止するために用いられます。

 

もっと簡単に書くと、ボート等をマリーナなど係留地に停泊させておく際に、

船底に付着する貝類の付着を防止する効果があります。

 

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少し古い営業資料になりますが、写真がわかりやすいので載せてみます。

 

ソニハル装着前は、左側の写真で2シーズンにわたり防汚塗装のみで

対応した時の写真になります。

左側の写真では、ソニハル装着後、通年を通して使用後、上架し撮影しています。

34ftのヨットにソニハル・デュオ(超音波起振機が2つ使用される商品)を

2セット取り付けているニュージーランドにて使用されている実績です。

 

資料は4年前のものですので、販売ユニット数が20,000以上となっていますが、

現状では30,000セット以上の販売実績ががあります。

 

日本においてもたくさんの実績があります!!

 

 

と、胸を張ってお伝えしたいところではありますが…(笑)

私殿が把握している限りでは、残念ながら日本国内において

それほどの数が普及しているわけではございません。

 

やはりメインの販売エリアとしては、環境先進国であるヨーロッパを中心に

 英語圏のエリアでの販売が多いのが実情です。

 

ソニハルの利点としては、環境負荷をかけることなく、

貝類の汚れ付着に関して効果的な効力を発揮できるところでしょうか。

 

一番最初に目立つところとして船体の汚れを挙げてみましたが、

それ以外にも海水冷却配管、冷却装置、プロペラ、シャフト、

ウォータージェット、シーチェストなどなど、海水中の微生物によって

汚損される個所に関しては効果が期待できます。

 

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この写真は、大型船になりますが、プロペラシャフトの軸受け部に

円柱状のトランスデューサーという超音波起振機を取り付け、

軸受け・プロペラシャフトと伝播させ

プロペラ本体の防汚装置として取り付けている例となります。

 

 

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こちらは、熱交換器の各ユニットに取り付けているところです。

内部の放熱用チューブに貝類の付着を防止する目的です。

 

 

 

海外においては、魚の養殖場の網に取り付けたりもしています。

 

 

また、海水ではありませんが、河川にて発生するカワヒバリガイに対しても

効果が期待できます。

この辺でお悩みのお客様も多いのではないかと思います。

 

 

簡単な使用用途をご紹介しましたが、今後環境規制が厳しくなる一方ですので、

他にもいろいろなところで利用できるのではないかと考えています。

 

はじめに

まずは、数あるサイトの中、このページにお越しいただきありがとうございました。

おそらく、「船体防汚」や「ソニハル」というワードで検索されてきたのでは?

と想像しております。

 

弊社では、「SONIHULL(ソニハル)」の販売から取り付け、

アフターサービスまで一貫して対応させていただく

NRG Marine社の正規代理店として活動しております。

 

 

ソニハルとは、イギリスにあるNRG Marine Ltd.社製の機械製品で、

船舶の停泊の際に船体に付着する貝類の付着を超音波によって防止する装置です。

 

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今までも、この「ソニハル」は他社様にて国内でのネット通販や

企業様案件向けのみの販売としてサービスの提供を行っているようで、

既に購入されたお客様も多々いらっしゃるようです。

 

しかしながら、海外製ということでアフターサービスや取付相談等、

不安なところも多々あるとお客様よりお伺いし、

弊社としましては、お客様の不安をできるだけ取り除けるよう

販売のみではなく自社技師により取付まで施工できるよう体制を整え、

企業様向け無論のこと、個人様向けに対しても窓口を広げ、

柔軟に対応させていただくことにしております。

 

特に取付に関しましては、それほど難しい作業ではないのですが、

材質や構造によって、効き方に大きな差が出るようで、

製品の性能を十分に発揮させるためには非常に重要な項目となります。

取付に関しては、弊社の経験はもとよりNRG Marine社と連絡を取り合うことで、

お客様に対して最適なお取り付けを提案できるよう準備しております。

 

このブログに関しては、製品の情報、取付に関する情報を

少しずつではありますが皆様とシェアさせていただくことで、

より安心してご利用いただければと願い、始めることと相成りました。

 

つたない文章ではございますが、少しでもお役に立てる情報を発信できるよう

頑張っていきますので、引き続きよろしくお願いいたします。