ソニハルの原理 その2
さて、前回に続き、ソニハルがどう働くかの説明です。
前回は、船底にフジツボなどがつく原理でした。
今回は、超音波がどう聞くかに関してまとめようと思います。
まず、ソニハルが売りとする超音波ですが、
イナーシャル(慣性)キャビテーションと
ノンイナーシャル(非慣性)キャビテーションの
大きく分けて2つあります。
この説明をしだすとすごく大変ですし、私にはできません(笑)
キャビテーションで発生する気泡の振動幅によって呼び名が違うようで、
振動幅が小さなものがノンイナーシャルキャビテーション、
振動幅が大きなものがイナーシャルキャビテーションというようです。
大きな違いは、気泡が持つパワーの違いでしょうか。
イナーシャルキャビテーションの方が大きな破壊力を持つ特徴があるようです。
もう一つの特徴としては、
イナーシャルキャビテーションは、一つの流れの中で自然発生するもの、
ノンイナーシャルキャビテーションは、外部から任意に制御できるもの、
という、違いが出てきます。
で、ソニハルではどちらなのかというと、
ノンイナーシャルキャビテーションというものを採用しております。
まぁ、機械で超音波を発生させ、強制的にキャビテーションを作るので
当然といえば当然ですが(笑)
ここで、イナーシャルキャビテーションの方がパワーあるからいいやんか!
というご意見もあるかと思います。
そうです、パワーはあるんですが・・・。
あり過ぎるんです(;^_^A
条件次第かと思うし、色々な文献に色々なことが書かれていますが、
1μmの範囲で100℃の温度変化があるとか、
気泡が破裂する際、衝撃波が音速を超えるとか・・・。
詳しいことは、専門の学者さんが研究されているようですが、
プロペラのキャビテーション腐食からも考えられるよう、金属を攻撃する
パワーを持っていることより、イナーシャルキャビテーションでは、
船底を守るというより、破壊してしまいそうです(;^_^A
ということで、ソニハルでは、安定的に制御できる
ノンイナーシャルキャビテーションを採用します。
トランスデューサーから発振される超音波を利用し船体表面に
1mm以下のマイクロバブルを作り、それを音波コントロールで
正圧負圧を制御し、バブルを膨らませたり縮めて破壊させたりということを
いろいろな周波数を用いて行っています。
メーカー資料の絵で以下のようなものがあります。
水泡の変化と超音波による正圧負圧の関係です。
この特性を用いて、先日フジツボなどの成長過程を示した下図の①や②
この、微生物の状態の時に微生物やバイオフィルムを攻撃して、
そこから先の成長を阻むような装置になります。
そのような特性から、すでに船底に取り付いてしまってフジツボを除去する力は
持ち合わせておりませんし、正常な効果を発揮するためには、
取付前に船底の清掃をする必要があります。
ということで、ソニハルとは、超音波を発信し、トランスデューサーの
効果が及ぶ範囲でキャビテーションを作り、的確にコントロールすることにより
微生物の付着が起きにくい表面を形成すること、すなわち、
フジツボなどが付着したくないような環境を作ることを目的としています。
以上ですが、簡単な説明でした<(_ _)>